【ロンドン 9月28日】
本日、ロンドンのセント・マーティンズ・ホールにおいて、イギリスをはじめフランス、ドイツ、ポーランド、イタリアなど各国からの労働者代表が集い、「国際労働者協会」(International Working Men’s Association)の設立が宣言された。この新たな組織は、労働者の国際的な連携と階級的な団結を促進することを目的としている。
会場には多数の聴衆とともに、労働組合活動家、社会主義者、進歩的知識人が多数参加し、各国の労働状況と課題が共有された。会の基調となったのは、「国境を超えて連帯することこそが、資本による抑圧に対抗する唯一の道である」という理念である。
ドイツ系の経済思想家カール・マルクスも参加していたとされ、演説草案の作成に深く関わった。彼の論調は、労働の価値と搾取の構造に焦点を当て、産業社会の矛盾を突くもので、注目を集めた。
宣言文では、過酷な労働環境、長時間労働、低賃金、児童労働といった共通の問題に対し、各国労働者が協力して対処すべきことが強調された。また、情報の交換と統一行動の重要性、分断を煽る権力への警戒も訴えられた。
新たな労働者組織の登場により、国際社会における階級闘争の潮流は一層明確な輪郭を持ち始めた。今後、各国の労働運動や政治運動への波及が注目される。
— RekisyNews 国際面 【1864年】