【ポルト 9月28日】
ポルトガル北部の商業都市ポルトにて、英国発祥の新興球技「フット=ボール」を正式に取り入れることを目的とした運動団体、「フット=ボール・クラブ・ド・ポルト(Futebol Clube do Porto)」が設立された。本クラブは本日、創設式を開催し、ユニフォームや競技方針などの骨子を定めた。
設立の発起人は、ポルト市の若き実業家アントニオ・ニコラウ・アルメイダ氏。すでにイギリスやスペインで熱を帯びるこの競技を、ポルトガルの地でも普及させたいとの熱意から、クラブの設立に至った。会場には市内の青年層や教育関係者らも多く集い、盛況のうちに発会式が行われた。
クラブの主な活動は、定期的なフット=ボールの試合開催と練習、ならびに同好者の育成にある。アルメイダ氏は挨拶の中で、「このクラブがポルトガル全土にフット=ボールの楽しさと規律を伝える礎になることを願う」と力強く語った。
英国人居留者が多く住む港町ポルトでは、すでに一部で非公式の試合が行われていたが、今回のクラブ設立によって、今後の競技振興と規則整備が本格化する見通しとなった。
ユニフォームの色は、当面は白と青を基調とする方針が示され、クラブの象徴として都市の紋章を用いる計画もあるという。今後はリスボンなど他都市の有志クラブとの親善試合も検討されており、ポルトガル初の全国的な競技連盟設立の機運も高まりを見せつつある。
— RekisyNews スポーツ面 【1893年】