ドイツ、警察機構を再編し国家保安本部設立──ゲシュタポなど統合へ

【ベルリン 9月27日】

ドイツ政府は本日、国家の治安維持を担う全ての政治警察および情報部門を統合し、「国家保安本部(Reichssicherheitshauptamt, RSHA)」を正式に設立した。この新機関は、ナチ党親衛隊(SS)の上級幹部ラインハルト・ハイドリヒの指揮下に置かれ、国家と党の治安政策の中枢を担う存在として注目されている。

今回の再編により、ゲシュタポ(国家秘密警察)、SD(親衛隊保安部)、および刑事警察(Kripo)などが一元化される形となった。この動きは、ポーランド侵攻から続く戦時体制の強化を背景に、反体制分子の監視と摘発を一層強化する意図があると見られている。

国家保安本部は、治安警察部門と情報部門から構成され、国内外のスパイ活動、反体制運動の監視、ユダヤ人問題の処理など、広範な権限を持つ組織として設計されている。ハイドリヒはこれまでもゲシュタポとSDを統括してきたが、今回の再編によって事実上、警察国家体制が完成に近づいたとの見方もある。

ベルリンの政界筋では、この組織の強大な力が今後どこまで広がるのか、国内外で注視されている。国民の一部には「治安の安定に寄与する」と歓迎の声もある一方で、表現や思想の自由がさらに制限されるのではないかとの懸念も広がっている

戦時下での情報統制と治安維持が優先される中、国家保安本部の設立は、今後のドイツ体制を象徴する重大な一歩となりそうだ

— RekisyNews 政治面 【1939年】

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