ウルバヌス七世、即位わずか十三日で崩御 教皇庁に再び空位の波紋

【ローマ 9月27日】

本日、ローマ教皇庁より、教皇ウルバヌス七世(本名:ジョヴァンニ・バッティスタ・カスターニャ)が、即位からわずか13日で帰天されたとの発表があった。享年69。教皇就任は今月15日であったため、歴代のローマ教皇の中で最も短命な在位記録となる。

死因はローマ市内で流行していたマラリアによると見られ、先週から容体が急変していた。医師団は全力を尽くしていたが、快復は叶わなかった。教皇庁内では深い悲しみが広がっており、サン・ピエトロ大聖堂では早朝から信徒らが祈りを捧げている。

ウルバヌス七世は枢機卿・外交官としての手腕で知られ、特に神聖ローマ皇帝ルドルフ2世との関係を円滑に導いたことでも評価されていた。教皇としての活動は極めて短期間に留まったが、在位中には貧民救済に力を注ぎ、たばこの使用に関する道徳上の規制を唱えるなど、倫理的指導者としての姿勢を見せていた。

次の教皇選出に向けて、再びコンクラーヴェ(教皇選挙)が招集される見込みであり、各地の枢機卿たちには速やかな帰還が要請されている。カトリック教会としては、短期間での再選挙は異例のことであり、聖座の空位がもたらす混乱も懸念されている。

バチカン周辺では、教皇の棺がサン・ピエトロ大聖堂に安置される準備が進められており、国葬の日取りについては近日中に発表される見通しだ。

— RekisyNews 宗教面 【1590年】

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