凶悪ギャング「マシンガン・ケリー」夫妻をFBIが逮捕 “撃つなGメン”の叫びが話題に

【メンフィス 9月26日】

禁酒法時代を象徴する凶悪ギャングの一人、「マシンガン・ケリー」ことジョージ・ケリー・バーンズ38歳)が本日、テネシー州メンフィス市内で連邦捜査局(FBI)を含む当局によって逮捕された。逮捕の瞬間、武器を持たずに現れたケリーは「撃つな、Gメン!撃つな、Gメン!(Don’t shoot, G-Men!)」と叫び、これがその場にいた関係者と市民の間で大きな印象を残している。

ケリーは機関銃(トンプソン・サブマシンガン)を好んで使用したことから「マシンガン・ケリー」と恐れられ、誘拐・武装強盗などの容疑で長らく追われていた。特に、今年6月に発生した石油王チャールズ・F・アーシュル氏の誘拐事件では、20万ドルの身代金を要求したとされ、FBIが本格的に追跡に乗り出していた。

逮捕時にはケリーの妻キャサリンも共に拘束されており、彼女は事件の計画・実行に深く関与していたとみられている。夫妻は連邦誘拐法(通称リンバーグ法)に基づいて起訴される見通しだ。

なお、ケリーが叫んだ「Gメン」という言葉は、これまで一般に「政府の男たち(Government Men)」の意味で使われていたが、今回の事件をきっかけに、FBI特別捜査官を指す言葉として一気に定着する可能性が高まっている。

アメリカ全土に広がる禁酒法時代の影が色濃く残る中、ケリー逮捕はFBIの存在感を強く印象づける出来事となった。

— RekisyNews 社会面 【1933年】

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