【東京 9月25日】
本日、日本中央競馬会(JRA)が発足後初となる中央競馬の開催を東京競馬場(府中市)にて行い、各地から多くの観客が詰めかけた。旧農林省管轄の日本競馬会に代わる新たな公的競馬組織として、競馬制度改革の象徴ともいえる記念すべき一日となった。
午前中から府中周辺は多くの来場者で賑わい、改札を通る観客の手には新聞と赤鉛筆、そして高鳴る胸の期待があった。入場者数は予想を上回る勢いで、会場のスタンドには詰めかけた競馬ファンの歓声が響いた。
この中央競馬の開始は、1954年6月に改正された競馬法が、同年7月1日に施行されることで発足した日本中央競馬会(JRA)によるものである。これにより、全国の中央競馬の施行主体が一本化され、財政の安定と透明性の確保、競馬の健全な発展が目指されている。運営の近代化や施行体制の整備も進められ、新時代の幕開けと位置づけられている。
本日のメインレースでは、名馬たちが芝の上で火花を散らし、最後の直線では場内にどよめきが起こるほどの白熱した展開となった。勝利騎手はインタビューで「この新しい舞台で勝てたことを光栄に思う。日本競馬の未来に貢献したい」と力強く語った。
JRA関係者によると、今後は東京・京都・中山・阪神など各地の競馬場で順次開催が進められ、全国規模での統一運営が本格化する見通し。日本競馬は、名実ともに大衆娯楽としての地位を確立しつつある。
— RekisyNews 経済・文化面 【1954年】