【ワイオミング州 9月24日】
本日、アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルト氏は、ワイオミング州北東部にそびえる奇岩「デビルズタワー」を合衆国史上初の「ナショナル・モニュメント(国定記念物)」として正式に指定した。これは、今年6月に成立した「アンティークス法」に基づく初の指定であり、今後の自然・文化遺産保護政策の転機となる可能性を秘めている。
デビルズタワーは、周囲の大地から垂直にそびえ立つ高さ約265メートルの巨大な岩山で、その独特な柱状節理と神秘的な佇まいから、先住民族の信仰対象としても知られている。白人入植以降は探検家や登山家の関心を集め、19世紀後半からは観光地としても注目されてきた。
大統領は声明で、「この国の偉大な自然と歴史的遺産を将来世代のために守ることは、我々の義務である。デビルズタワーはその象徴たる存在である」と述べ、今後も貴重な自然景観や遺跡の保護に力を注ぐ意向を明らかにした。
今回の指定により、デビルズタワーの無許可の伐採・採掘・破壊行為は法的に制限され、連邦政府による恒久的な保護管理が開始されることとなる。地元自治体や観光業者からは、自然資源の保護と観光振興の両立に期待の声が上がっている。
なお、アンティークス法は、大統領に対し、公共の土地にある史跡・建築物・物理的特徴などを迅速に保護対象として指定できる権限を付与する画期的な法律であり、今後の活用次第で、全米の遺産保護政策が一段と進展することが予想される。
— RekisyNews 社会面 【1906年】