【シドニー 9月24日】
第27回夏季オリンピック・シドニー大会の陸上競技・女子マラソンが本日開催され、日本代表の高橋尚子選手(28)が2時間23分14秒の五輪新記録で堂々の金メダルを獲得した。女子マラソンでの日本人初の金メダルとなり、日本中が歓喜に包まれた。
レースはオーストラリア東部の午後1時過ぎ、気温20度を超える晴天の下でスタート。高橋選手は序盤から中盤にかけて集団の中で冷静にペースを刻み、30キロ過ぎからスパート。終盤まで粘走したルーマニア代表のリディア・シモン選手を振り切り、スタジアムの大歓声の中、両手を広げてゴールテープを切った。
ゴール直後、「応援の声が力になりました」と涙ながらに語った高橋選手は、初出場の大舞台で日本陸上界に新たな歴史を刻んだ。沿道では多くの日本人観客が日の丸を振り、「Qちゃん」の愛称で親しまれる高橋選手に声援を送っていた。
この快挙により、日本の女子長距離界が世界の頂点に立ったことが証明された。高橋選手を指導した小出義雄監督の笑顔も印象的で、「自分の娘のような存在。よくやってくれた」と喜びを語った。
今回の金メダルは、マラソンを含む陸上種目における日本女子選手としても史上初の栄冠。かつてない快挙は、日本スポーツ界にとっても記念すべき日となった。
— RekisyNews スポーツ面 【2000年】