【プネー 9月24日】
本日、インド西部のプネーにて、マハトマ・ガンジー氏と不可触民(ハリジャン)の代表であるB.R.アンベードカル博士らの間で、「プーナ協定」と呼ばれる歴史的合意が成立した。これは、英印統治下における不可触民の州議会代表確保に関する合意であり、英政府が発表していた「カマウン別選制」に代わる制度として、両者が妥協に達したかたちだ。
事の発端は、今年8月にイギリス政府が「コミュナル・アワード」を発表し、不可触民に対してヒンドゥー教徒とは別に選挙区を設ける「別選制」を導入しようとしたことであった。これに強く反発したガンジー氏は、「不可触民もヒンドゥー共同体の一部であり、分断は容認できない」として、9月20日より断食闘争に突入。
ガンジー氏の命を案じた国民の間には動揺が広がり、各地で祈りの集会が開かれた。一方で、不可触民の地位向上を求めてきたアンベードカル博士は、政治的代表の確保が譲れないと主張。緊迫した交渉が続けられたが、最終的にはヒンドゥー教徒全体の選挙区の中で、不可触民に一定数の議席を割り当てるという方式で合意した。
この協定により、英政府は提案していた別選制を撤回し、全インドで148の州議会議席が不可触民に確保される予定。合意後、断食を続けていたガンジー氏はようやく水と食を口にし、集まった支持者らは涙を流しながら拍手で応じた。
今後も不可触民の社会的地位向上と真の平等実現に向けた課題は残されているが、今回の合意は、インド社会の分断を回避する上で重要な一歩と見なされている。
— RekisyNews 国際面 【1932年】