【バグダッド/テヘラン 9月22日】
本日早朝、イラク空軍がイラン各地への大規模な空爆を実施。イラン政府の発表によれば、首都テヘランの空港や、アフヴァーズ、イスファハーンなど主要都市の軍事施設・空港が標的となり、複数の死傷者と被害が報告されている。
これにより、ここ数カ月間にわたり続いていた国境地帯での小規模な衝突は、ついに全面戦争へと発展した形だ。
イラク側は、**「国境侵犯と内政干渉に対する正当な自衛措置」**と主張。サッダーム・フセイン大統領は国営テレビを通じて、「イランの挑発に対し、イラク国民の尊厳を守るため断固たる行動をとった」と演説した。
一方のイランは、空爆直後に全国に非常事態を宣言し、革命防衛隊および正規軍による全面的な報復体制に入ったと発表。ラジオ・テヘランでは、「イラクの侵略に対してイラン国民は一致団結して立ち向かう」との声明が流された。
今回の軍事行動は、シャッタル・アラブ川(アラブ名)をめぐる長年の領有権対立と、イラン国内の混乱に乗じたイラク側の強硬姿勢が背景にあるとされる。
国連やアラブ連盟は即座に停戦を呼びかけているが、両国の姿勢は強硬で、今後の中東情勢への影響は計り知れない。湾岸諸国や欧米諸国も事態を注視しており、原油供給への影響も懸念されている。
— RekisyNews 国際面 【1980年】