リンカーン大統領、奴隷解放を宣言──南部州に大きな衝撃

【ワシントン 9月22日】

本日、アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンは、国家を二分する南北戦争の只中において、画期的な声明を発表した。いわゆる「奴隷解放宣言」第1部と呼ばれるもので、来年1月1日の時点で、連邦に対して反旗を翻し続けている諸州においては、すべての奴隷が自由と見なされるとする内容だ。

ホワイトハウスからの声明文は、「人間の自由という原則のもと、合衆国の戦争目的に道徳的な正当性を加える」と明記。南部諸州への圧力を強めるだけでなく、北部や国際社会へ向けて、合衆国が奴隷制と決別する姿勢を明確にした。

ただし、この宣言は即時的な奴隷解放を意味するものではない。解放の対象は、連邦の支配下にない地域、つまり今なお反乱を続ける州に限られる。 ケンタッキーやメリーランドなどの忠誠を保つ境界州には適用されず、実効性を疑問視する声も少なくない。

大統領周辺では、宣言の法的根拠を「戦時における軍事命令」として位置づけており、憲法との整合性を巡って議論が巻き起こることも予想される。

一方で、奴隷解放を訴えてきた黒人活動家や北部の急進的共和党員からは歓喜と支持の声があがっており、奴隷制撤廃を求める世論は一層の高まりを見せている。 英国やフランスといった外国政府もこの動きを注視しており、南部連合への支持に慎重になるとの観測もある。

今回の宣言は、単なる政策表明ではなく、国家のあり方を根本から問い直す歴史的な一歩となることは間違いない。

— RekisyNews 政治面 【1862年】

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