荒木村重、有岡城を脱出──織田包囲網の中、主君不在で籠城続く

【摂津・有岡城 9月22日】

織田信長の命を受けた軍勢に包囲されている摂津・有岡城において、本日、籠城の主である荒木村重(あらき・むらしげ)が城を脱出したことが複数の筋から確認された。残された城兵たちは依然として抗戦の構えを崩しておらず、今後の戦況が注目される。

有岡城(伊丹城)は摂津国の要地に位置する堅城で、村重は長年、信長に従っていた武将であった。しかし今年に入り、突如として信長に反旗を翻した。この背信行為は畿内を大きく揺るがせ、織田方は即座に討伐軍を派遣。城は9月初旬から包囲を受けていた。

しかし、本日未明、村重本人が密かに脱出したとの情報が流れ、城外の諸勢力に衝撃を与えている。消息筋によれば、村重は西の毛利方との連携を図るため、あるいは一時的に本国・尼崎城へ向かったものと見られている。

残されたのは、夫人・だしの方を含む家族や家臣、そして忠誠を誓った数百の兵たちである。村重の意志を継ぎ、徹底抗戦の構えを見せているが、主君不在のまま長期籠城を続けることに対して不安の声もあがっている。

織田方の包囲は日に日に厳しさを増しており、補給路は断たれ、砦の一部もすでに落城。信長軍の一将は「もはや時間の問題」と語っており、村重の離脱が決定的な崩壊をもたらすのではないかとの見方も強い。

一方、村重がこの期に及んで城を離れた理由について、織田方では「責任放棄」と非難の声も上がる一方、「戦局打開のための苦渋の決断」との同情的な意見もある。

有岡城の命運やいかに──。今後の戦局に注目が集まる。

— RekisyNews 政戦面 【1579年】

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