シュヴァーベン戦争ついに終結──バーゼルの和約で神聖ローマ帝国とスイス同盟が和睦

【バーゼル 9月22日】

本日、スイス同盟(エイドゲノッセンシャフト)と神聖ローマ帝国側の代表が、バーゼルにおいて講和条約に調印し、7か月にわたって続いたシュヴァーベン戦争が正式に終結した。

この戦争は、皇帝マクシミリアン1世の軍制改革と帝国統一を推し進める動きに、スイス諸邦が強く反発したことに端を発する。とりわけ、スイスが神聖ローマ帝国の統制から離脱しつつある姿勢が、ドイツ南部のシュヴァーベン同盟や諸侯の警戒を呼び、両者の対立が一気に武力衝突へと発展した。

しかし、激戦が繰り広げられたのはわずか半年あまり。スイス兵の山岳戦術と民兵による素早い攻撃は、帝国軍に予想以上の損害を与え、戦況は次第にスイス有利に傾いていった。最終的に帝国側は戦費と人的被害の増大により講和を受け入れる運びとなった。

バーゼルの和約では、スイス同盟の事実上の独立が黙認され、帝国の最高裁判所(帝国カマーゲリヒト)の権限もスイスには及ばないことが確認された。ただし、形式的にはスイス諸邦は依然として神聖ローマ帝国の一部にとどまり、名目的な宗主権は残された形となっている。

バーゼルの街では調印後、教会の鐘が一斉に鳴り響き、各地の代表団が和解の印として聖堂に集まり祈りを捧げた。あるスイス兵は「我々は山を守った。だが血はもう流したくない」と語った。

この講和により、スイス同盟の自主性は確固たるものとなり、以後のヨーロッパにおける中立的存在への道を開いたとも言えるだろう。

— RekisyNews 国際面 【1499年】

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