【東京・蔵前 9月21日】
本日、東京・蔵前仮設国技館で始まった秋場所の初日、大相撲の象徴とも言える土俵の「四本柱」が、およそ700年にわたる歴史に幕を下ろすかたちで取り払われた。これにより、相撲観戦の風景に大きな変化が生まれることとなった。
従来、土俵の四隅には屋根を支える柱が設置されており、相撲の神聖性を象徴する存在でもあった。しかし、観客の視界を遮るという理由や、テレビ放送の普及による映像上の制約などを受け、四本柱の廃止が決定された。
代わって土俵の上には、屋根を吊るための鋼線が設置され、四隅には「房」と呼ばれる色分けされた飾りが新たに導入された。これにより、力士たちの取り組みが観客のどの位置からも見やすくなり、より臨場感のある相撲観戦が可能となる。
この大きな変更に対し、会場では驚きとともに新時代への期待の声も聞かれた。場内では、「これも時代の流れだな」「力士の動きがよく見えるようになった」といった観客の声が上がった。
一方で、相撲関係者の中には「伝統が損なわれるのでは」という慎重な意見も残っている。ある親方は、「四本柱は相撲の精神性を象徴するもの。新しい形に慣れるには時間がかかるだろう」と語った。
相撲は古来より変化を繰り返しながら続いてきた。今回の四本柱撤去もまた、時代とともに進化する大相撲の一断面として記録されることだろう。
— RekisyNews 社会面 【1952年】