【グアテマラ市 9月15日】
本日、スペイン植民地として長らく支配を受けてきた中米の五地域──グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、そしてコスタリカ──が、合同でスペイン帝国からの独立を宣言した。
この歴史的な動きは、グアテマラ市に設置された中米地方政府会議(キャピタン・ヘネラル管区)の評議会によって決定され、各地の代表者が署名した「独立法令」に基づくもの。法令には、「自由、正義、そして国民の意思に従い、スペインからの統治を終える」と明記されている。
この決定は、数年間にわたり高まってきた民衆の不満と、欧州本国でのナポレオン戦争および近年のメキシコ独立の成功に大きく影響されたものであり、時代の変革のうねりが中米にも波及した形だ。
グアテマラ市では本日、鐘の音が街中に鳴り響き、市民たちが広場に集まり歓声を上げた。軍事衝突による独立ではなく、あくまで平和的な政令による分離となったことから、今のところ大規模な混乱は見られていない。ただし、各地域での政体の整備、領土の再編、そして将来的な連邦制度への道筋など、多くの課題が残されている。
今回の宣言は、「中米合同州」あるいは「中央アメリカ連邦」としての連帯を志向する声もあるが、地域間の利害や政治的指導者の思惑も絡み、今後の推移には注意が必要だ。
それでも、長年の植民地支配を経て、自らの未来を自らの手で決定しようという民意が初めて公式に認められた意義は極めて大きい。今後、ラテンアメリカにおける独立運動の連鎖がさらに加速する可能性もある。
— RekisyNews 海外面 【1821年】