テレビ業界に新たな指標──視聴率調査会社ビデオリサーチ創設

【東京 9月20日】

本日、民間によるテレビ視聴率調査を専門とする新会社「株式会社ビデオリサーチ」が正式に設立された。日本におけるテレビ放送の普及と市場の拡大に伴い、視聴者の動向を科学的かつ定量的に把握する必要性が高まっていた中、広告業界と放送業界の共同出資により、調査専門会社として産声を上げた。

新たに設立されたビデオリサーチ社は、**テレビ番組の視聴実態を定期的に数値で把握する「視聴率調査」**を業務の中心とし、広告主、広告代理店、放送局といった各業界関係者に向けた客観的データの提供を目的としている。日本ではこれまで、新聞や雑誌といったメディアの読者数を基準に広告効果が測られていたが、家庭に普及し始めたテレビの影響力を数値化することで、放送の質や広告価値の「見える化」が期待されている

当初の視聴率調査は、首都圏を中心とした面接方式や郵送アンケート方式を採用。やがては電気的機器による「視聴測定装置(ピープルメーター)」の導入も視野に入れ、精度と信頼性の高いデータ収集体制の構築が進められる。

ビデオリサーチの設立により、番組の人気度を数値で示すことが可能となり、テレビ編成や広告出稿戦略にも大きな影響を与えると見られている。また、文化的側面においても、国民の関心や世相を映す鏡として、視聴率が新たな「社会の指標」となる時代が幕を開けた。

— RekisyNews メディア面【1962年】

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