オリックス・イチロー、史上初のシーズン200安打達成──「振ればヒット」の神業に球史が震える

【福岡 9月20日】

パ・リーグのオリックス・ブルーウェーブ所属の若き外野手、イチロー選手(21)が、本日の対福岡ダイエーホークス戦(福岡ドーム)にて、ついに日本プロ野球史上初となるシーズン200安打の大記録を打ち立てた。これは、長きにわたり「不可能」と言われ続けてきた未踏の金字塔であり、球界関係者・ファンを問わず驚嘆の声が広がっている。

この日、イチローは第1打席でセンター前ヒットを放ち、今季通算安打数を199に。そして迎えた第3打席、内角球を鋭く叩いた打球が一・二塁間を破り、ライト前ヒットに。場内アナウンスが「今のヒットで、イチロー選手は200本安打を達成しました」と告げると、敵地ながらスタンディングオベーションが巻き起こった。

今季のイチローは開幕から「振ればヒット」の異名を取る安定した打撃を維持し、打率も.390台をキープ。一本足打法とは異なる、極限までシンプルに研ぎ澄まされたバッティングフォームで、内外角・高低を問わず巧みに安打を量産し続けてきた。

これまでのシーズン最多安打記録は、1950年に南海・岩本義行氏が記録した191安打であったが、その記録を50年ぶりに塗り替えた形となる。試合後のヒーローインタビューでイチローは、「記録はうれしいけど、まだシーズンは終わっていないので、1本でも多く打ちたいです」と淡々と語り、さらなる高みを目指す姿勢を崩さなかった

プロ入り3年目、レギュラー1年目での達成という衝撃に、野球評論家の張本勲氏は「これは伝説の始まりかもしれない」とコメント。今後、イチローがどこまで記録を伸ばすのか、球界の注目はさらに高まりそうだ。

— RekisyNews スポーツ面【1994年】

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