新時代の幕開け──東京六大学野球リーグ、記念すべき初戦が神宮球場で開幕

【東京 9月20日】

東京帝国大学、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、法政大学、立教大学の6校によって構成される東京六大学野球リーグ戦が、本日神宮球場にて華々しく開幕した。関東を代表する名門大学による本格的なリーグ戦はこれが初めてであり、学生野球界にとって記念すべき新たな歴史の一歩となった。

開幕戦は、早慶戦でも知られる早稲田大学と慶應義塾大学の対戦。朝から神宮球場には数多くの学生・野球愛好者が詰めかけ、外野席までびっしりと埋まった。応援団によるエールの応酬と、吹奏楽による応援合戦が球場の熱気を一層高め、まるで大規模な催しのような賑わいを見せた。

試合は緊迫した投手戦となり、6回裏に早稲田が1点を先制。その後も両校の堅い守備が続いたが、終盤に慶應が逆転し、最終的には3対1で慶應義塾大学が白星を飾った。選手たちは技術面でも精神面でも成熟しており、プロ顔負けのプレーに観客からは大きな拍手が送られた。

これまで早慶戦や各大学間での個別試合はあったが、六校による正式なリーグ戦形式は初めての試みであり、学生野球の組織的発展を象徴する出来事である。今後、春秋の定期リーグ戦として継続される方針で、各校のプライドと青春を懸けた熱戦が続くことが期待されている。

関係者は「これは単なる野球大会ではなく、大学文化と青年の精神を育む舞台である」と語っており、本リーグが今後の日本野球界に与える影響も大きいと見られている。

— RekisyNews スポーツ面【1925年】

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