蝦夷地、正式に「北海道」へ改称──開拓と統治の新時代に向けて一歩

【東京 9月20日】

政府は本日、これまで「蝦夷地(えぞち)」と呼ばれていた北方領域の名称を、正式に「北海道(ほっかいどう)」と改称する旨の布告を発した。新たな名称は、統治機構として設置された「開拓使」の施策の一環として定められ、今後は政府直轄のもとで本格的な開拓と移住政策が進められる見通しだ。

「北海道」という新名は、東北地方の北に位置すること、またかつての「海北道(かいほくどう)」という呼称にちなみ、文明開化を志向する明治政府の方針を象徴する命名とされる。政府関係者によれば、改称は単なる呼称変更にとどまらず、新たな国家的事業としての意味を強く持つという。

布告文では、「旧習を脱し、新政を布く」旨が明記されており、これまで「夷(えびす)」と差別的に捉えられがちであった蝦夷地に対し、近代的な行政区画としての尊厳を与える狙いがある。また、屯田兵制度の構想も進められており、北辺警備と農地開拓の両面からの政策展開が期待されている。

新名称発布の報を受け、東北各地では早くも移住希望者が現れ始めており、札幌を中心とした拠点整備や測量作業も急ピッチで進行中だ。

政府は今後、蝦夷地の原住民であるアイヌの人々への対応も含め、秩序ある開拓と融合政策を進めていく方針だが、その実現にはなお多くの課題が残されている。

— RekisyNews 内政部【1869年】

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