信長、佐久間信盛を追放──19ヶ条の折檻状を突きつけ、不手際を糾弾

【安土 9月20日】

織田信長公は本日、長年家中に仕えた重臣・佐久間信盛に対し、19ヶ条に及ぶ折檻状(せっかんじょう)を下し、所領没収の上で追放処分とした。信盛は嫡男・信栄とともに高野山への退去を命じられ、織田家中から完全に姿を消すこととなった。

折檻状の中で信長公は、信盛の怠慢と功なき長年の振る舞いを痛烈に批判。石山本願寺との長期にわたる戦線において何ら戦果を挙げなかったこと、贅沢に溺れ家中の統制を怠ったこと、敵勢力との緊張が続く中で京都に遊興しに行ったことなどを具体的に列挙し、「天下の大事を預けるに足らず」と断じた。

信盛は信長の父・信秀の代から仕える古参の武将であり、美濃攻めや上洛戦などに従軍して一定の功績を挙げていたが、近年では重責に見合う働きが見られず、若手の台頭とともにその立場は徐々に揺らいでいた。

今回の追放劇は、信長の組織刷新と家中統制の一環と見られており、今後さらに老臣や不満分子への粛清が続く可能性がある。すでに林通勝や柴田勝家らも過去に信長から叱責を受けており、織田家中は一層の緊張を強いられる局面となっている。

信盛は明日以降、紀伊・高野山へ向けて退去する見込みであり、織田政権の体制に大きな転機が訪れた格好だ。

— RekisyNews 戦国面【1580年】

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