英グラストンベリーに音楽と自由の祭典──第1回野外フェスティバルに数千人が集結

【グラストンベリー 9月19日】

本日、イングランド南西部の農村地帯グラストンベリーにて、若者文化と音楽を祝う新たな祭典、「第1回グラストンベリー・フェスティバル」が開催された。入場料は1ポンドで、牛乳一瓶が無料で配られるという素朴なスタイルながら、現地には約1500人以上の観客が集まり、自然の中で音楽と自由を楽しむ一日となった。

舞台となったのは、地元農場主マイケル・イーヴィス氏の所有する牧草地。広々とした野外スペースに設けられた即席ステージには、地元ミュージシャンから人気ロックバンドまでが登場。なかでも、イギリスを代表するサイケデリック・ロックバンド「ティラノサウルス・レックス」の出演は大きな注目を集め、観客は終始熱狂に包まれた。

1969年の米ウッドストック・フェスティバルに刺激を受けたとも言われる本イベントは、商業主義から距離を置いた“純粋な音楽と交流の場”を目指しており、会場ではヒッピー文化やエコロジー思想を象徴するような装飾やフリーマーケットも見られた。

運営は地元ボランティアの手によって支えられ、主催者のイーヴィス氏は「この土地が若者たちの希望と音楽の場になれば嬉しい」と語った。

現在のところ来年以降の開催は未定だが、観客の反応はおおむね好意的で、音楽フェスティバルの新しいかたちとして、今後の発展が注目される。

— RekisyNews 文化欄【1970年】

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