【ミャンマー 9月18日】
本日未明、ミャンマー国軍のソウ・マウン国防相がクーデターを敢行し、同国の全権を掌握したと発表した。これにより、8月から全国に広がっていた民主化要求の大規模な市民運動「8888民主化運動」は、軍による強硬な鎮圧をもって終息に向かう形となった。
ソウ・マウン将軍は、国家の混乱と無政府状態を理由に、「国家法秩序回復評議会(SLORC)」の設立を宣言。事実上の軍政移行を正式に開始したとみられる。首都ヤンゴンでは、軍が各地を封鎖し、市民の集会やデモを徹底的に取り締まる構えを見せている。
軍の発表によると、「社会秩序の回復と国家の安定」が目的だとしているが、複数の人権団体は数千人規模の死傷者が出ている可能性があると指摘。市民への実弾発砲や深夜の一斉検挙など、過酷な弾圧の実態が浮かび上がっている。
民主化の象徴とされるアウンサンスーチー氏の動向については明らかにされておらず、今後の政治情勢は極めて不透明な状況にある。
国際社会からはすでに非難の声が上がっており、アメリカをはじめとする西側諸国は、制裁や援助の見直しを検討している。
この突然の政変は、数十年にわたるミャンマーの軍政支配の再来を意味するものとして、内外に衝撃を与えている。
— RekisyNews アジア支局【1988年】