日本の空に再び翼──戦後初の国産機R-52、記念すべき初飛行に成功

【東京・調布飛行場 9月17日】

本日午後、戦後初となる国産航空機「R-52」が、東京都調布市にある調布飛行場で記念すべき初飛行を成功させた。第二次大戦後、日本における航空機の開発・製造はGHQの指令により長らく禁じられていたが、1952年4月の主権回復を受けて再び許可され、本機がその第一歩となった。

R-52は、日本大学理工学部航空研究室と航空協会が中心となって開発した単発・二人乗りの軽飛行機で、全長約6メートル、翼幅約9メートル、最大時速約200kmとされる。設計は戦前の航空技術をベースとしながら、戦後の資材事情に応じた工夫が施されている。機体はアルミ合金製で、エンジンは米国製のコンチネンタルC90(90馬力)を搭載する。

本日の飛行は終始安定しており、滑走路から滑らかに離陸したR-52は約20分間にわたって空中を旋回。その後、無事着陸すると、開発関係者や報道陣から歓声と拍手が沸き起こった。

開発チームを率いた工学博士の有川正二氏は、「戦後初の空への挑戦が、こうして実を結んだことに感無量です。これを機に、日本の航空技術の復興が進むことを願います」と語った。

航空業界関係者の間では、R-52の成功をきっかけに、本格的な民間航空機産業の再興が期待されており、今後の技術開発や人材育成に注目が集まっている。今のところ量産の予定はないが、各大学や研究機関からの関心も高く、「戦後日本の空を拓く小さな翼」として記憶される一機となることは間違いなさそうだ。

— RekisyNews 科学技術面 【1952年】

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