【ソウル 9月17日】
第24回夏季オリンピックが本日、韓国の首都ソウルで開幕した。アジアでは1964年の東京大会以来2度目、韓国としては初の五輪開催となる。オリンピックスタジアムで行われた開会式には、160を超える国と地域の代表選手が参加し、約10万人の観衆がその歴史的瞬間を見守った。
午後、伝統舞踊や合唱など壮麗な文化パフォーマンスが披露された後、各国選手団の入場行進が始まった。スタジアムには各国の旗が翻り、選手たちの笑顔と歓声が国境を越えた友情を象徴する場面となった。韓国選手団が最後に登場すると、会場からはひときわ大きな拍手が起こり、開催国としての誇りがにじんだ。
注目の聖火点火は、韓国陸上界の期待の星である金炫珠(キム・ヒョンジュ)選手がトラックを駆け抜けて聖火台へ向かい、続いて1936年ベルリン大会マラソン金メダリストの孫基禎(ソン・ギジョン)氏、さらに舞踊家の康壽榮(カン・スヨン)氏と共に、3名によって聖火が灯された。点火はスタジアム内に設けられた階段を上って行われ、荘厳な雰囲気の中、平和への誓いとともに大きな火柱が空へと立ち昇った。
国際オリンピック委員会(IOC)のフアン・アントニオ・サマランチ会長は「ソウル五輪は、世界の調和と友好の象徴となるだろう」と語り、韓国の全斗煥大統領が開会を宣言した。
大会は10月2日まで16日間にわたり開催され、世界中から集まった一流のアスリートたちが、21競技237種目で熱戦を繰り広げる予定だ。
— RekisyNews スポーツ面 【1988年】