自動車業界に新たな巨人誕生──W・デュラント氏、「ゼネラルモーターズ」創業を発表

【ミシガン州フリント 9月16日】

本日、自動車業界に新たな大手企業が誕生した。実業家ウィリアム・C・デュラント氏は、ミシガン州フリントにて、複数の自動車メーカーを傘下に収める統合企業「ゼネラルモーターズ(General Motors)」の設立を発表。アメリカの自動車産業の構造に大きな変化をもたらすものとして注目が集まっている。

デュラント氏は、これまで馬車メーカーで成功を収めたのち、ビュイック・モーター社の経営に参画。同社を急成長させた手腕を買われ、今回の新会社設立に至った。GMの初期構成には、ビュイックをはじめとする複数の関連会社が含まれており、今後も買収と合併を通じてさらなる規模拡大を目指す方針だという。

「自動車産業は単独ではなく、協調と統合によって未来を築く時代に入った」と、創業者のデュラント氏は語る。従来の個別メーカー中心の体制から、資本と技術を一元的に管理する“持株会社”という形式を導入することで、規模の経済を生かしつつ効率化と競争力強化を狙う。

フリント市内では早くも関係者や投資家の間で期待が高まりつつあり、今後のGMの動向が全米の産業界に波及することは確実視されている。

同社の本拠地はフリントに置かれる予定で、工場設備や販売網の整備も順次進められる見通し。アメリカにおける“モータリゼーション”の時代を象徴する企業となる可能性もあり、各方面の関心が集まっている。

— RekisyNews 経済面 【1908年】

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