【陸奥・二本松 9月15日】
戊辰戦争の激戦地のひとつである二本松にて、本日、奥羽越列藩同盟に属する二本松藩の本城・二本松城が新政府軍によって攻略された。これにより、同盟側の防衛線に大きな綻びが生じ、会津方面への進軍が現実味を帯びてきた。
新政府軍は、東山道を北上してきた板垣退助率いる土佐藩兵を中心に、薩摩・長州・佐賀などの諸藩兵を含む構成。昨日から始まった攻城戦では、城下町への砲撃と同時に、三方からの包囲攻撃が展開された。城を守る二本松藩兵は決死の防戦を見せたが、数・火力ともに勝る政府軍に抗しきれず、正午過ぎには本丸が制圧された。
特筆すべきは、少年兵を含む藩士たちの徹底した抗戦である。十代前半の若年藩士までもが槍を持ち、銃を構えて前線に立った。彼らの奮戦は、敗北の中にも二本松の誇りを残した。
二本松藩主・丹羽長国は既に避難していたとみられるが、藩士の多くが城に残り、壮絶な戦いの末に戦死・自刃したと伝えられる。落城後の城下には火が回り、黒煙が周囲の山々を包んでいる。
この勝利により、新政府軍は会津への進路を確保したことになる。すでに一部部隊は次なる標的である白河口方面へ進軍を開始しており、奥羽の命運を賭けた決戦が近づいている。
二本松の落城は、奥羽越列藩同盟にとって重大な打撃であり、今後の抵抗継続にも暗い影を落としそうだ。
— RekisyNews 国内面 【1868年】