【東京 9月15日】
本日、日本国有鉄道(国鉄)は全国的なダイヤ改正を実施し、東京─大阪間に新たな特急列車「へいわ」が登場した。これは、昭和18年(1943年)以来中止されていた特急運行の本格的な再開を意味する。
「へいわ」は、戦中に姿を消していた特急列車の名に代わり、新たな時代への願いを込めて名付けられた。所要時間は約9時間。車両には近代化された二等・三等車が連結され、冷房設備こそ備わっていないものの、座席の快適性は従来の急行列車より格段に向上している。食堂車も連結され、乗客には温かい食事とともに、久方ぶりの「移動の豊かさ」が提供された。
午前9時、東京駅9番ホームには、制服を新調した車掌たちと記念撮影を行う乗客の姿が見られ、構内は祝賀ムードに包まれた。乗客のひとり、兵庫県在住の商人は「戦後、やっとこの日が来た。汽車がまた”特別”になるのは嬉しいこと」と語った。
今回のダイヤ改正では、他にも急行・普通列車の時刻や本数が見直され、戦後復興に向けた国鉄の姿勢が示された格好だ。
「へいわ」は今後、東海道本線を象徴する列車として、ビジネス・観光の両面で活用が期待されている。
— RekisyNews 社会面 【1949年】