【バージニア州 9月14日】
本日、アメリカ独立軍の総司令官ジョージ・ワシントン将軍は、バージニア州ヨークタウン近郊の野営地において、フランス遠征軍の指揮官ジャン=バティスト・ド・ロシャンボー将軍が率いる部隊を閲兵した。これは、英軍との決戦に向けて進行する両国軍の協調体制を強調する象徴的な儀式として行われたものであり、同盟関係の深化が明確に示された場となった。
閲兵は、フランス軍の整然とした隊列と精鋭ぶりをアメリカ軍将兵に印象づけるものであり、またフランス側にとっても、アメリカの最高司令官からの敬意と信頼を受け取る重要な機会となった。ワシントン将軍は馬上からゆっくりと列を進み、一人ひとりの兵士に目を配りながら、ロシャンボー将軍と言葉を交わした。
ロシャンボー将軍の指揮するフランス軍は、昨年よりアメリカ大陸に上陸し、連携作戦を展開してきた。特にヨークタウン包囲戦への布石が打たれる中、フランス軍の砲兵と工兵の貢献は極めて大きく、今後の軍事行動における決定的な戦力と目されている。
両軍の士気は極めて高く、今後のヨークタウン攻囲戦によって英国のコーンウォリス将軍を孤立させる戦略が着々と進められている。今回の閲兵式は、来たるべき総攻撃を前にした士気高揚と、フランス=アメリカの堅固な軍事同盟の一端を、国内外に強く印象づけるものとなった。
式典を見守ったアメリカ兵の一人は、「言葉は交わせずとも、フランスの友は心で通じている」と語り、両軍に芽生えつつある連帯感をにじませた。
— RekisyNews 国際面 【1782年】