経済学の新たな扉──マルクス著『資本論』初版ついに刊行

 【ハンブルク 9月14日】

本日、ドイツの経済思想家カール・マルクス氏(49)による著作『資本論(Das Kapital)』の第1巻初版が、ハンブルクの出版社オットー・マイスナー社より刊行された。本書は「資本主義経済の運動法則を科学的に解明する」ことを目的に執筆されたとされ、労働者階級を中心に注目が集まっている。

マルクス氏は長年にわたりロンドンの大英図書館で研究を重ね、経済史・統計・哲学・政治思想を総合的に分析。その成果がこの第1巻「資本の生産過程」に結実した。特に労働力の商品化、剰余価値の理論、資本の蓄積法則などが体系的に論じられており、従来の経済学とは一線を画す視点で構成されている。

出版元のマイスナー社によると、初版は1000部。厚さは約800ページに及び、定価は3ターラー50グロッシェン。すでに社会主義思想の担い手や一部の知識人を中心に予約が相次いでおり、再版の可能性も視野に入っているという。

ロンドンで取材に応じた共同執筆者フリードリヒ・エンゲルス氏は、「この書は資本主義の核心を暴き、労働者が自らの境遇を理解し、行動するための武器となる」と語った。

一方で、保守派の経済学者からは「観念的かつ非現実的」との批判も出ており、今後の評価は二極化が予想される。しかし、本書が経済思想に一石を投じたことは疑いようがない。

なお、マルクス氏は本書を「全3巻構成」としており、第2巻以降の刊行は未定ながら、すでに原稿の執筆は進行中とみられている。

— RekisyNews 経済面 【1867年】

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