イチロー、新記録達成──年間192安打で日本プロ野球の歴史を塗り替える

 【神戸 9月14日】

本日、グリーンスタジアム神戸で行われたオリックス・ブルーウェーブ対西武ライオンズ戦において、オリックスの若きヒットメーカー、イチロー外野手(21)が今季192本目の安打を記録し、日本プロ野球における年間最多安打の新記録を樹立した。

これまでの記録は、かつて南海ホークスの与那嶺要が1950年に打ち立てた191安打で、実に44年ぶりの快挙となる。記録を更新した一打は、三回裏の第2打席で放ったセンター前ヒット。打球が中堅手のグラブを抜けた瞬間、場内は大きなどよめきと歓声に包まれた。

イチローは今季、プロ入り3年目ながら開幕から「1番・ライト」に定着。独特の振り子打法で次々とヒットを重ね、8月時点で既に170本を超えるハイペースで打ち続けていた。この日のヒットで新記録を達成したが、なおもシーズンは続いており、最終的な到達点に注目が集まっている。

試合後、球団関係者が花束を持ってグラウンドに現れ、記録達成のセレモニーが即席で行われた。イチローは観客に向けて帽子を取り一礼。「たくさんの方々の支えがあってここまで来られました。記録は意識していませんでしたが、素直に嬉しいです」と語った。

この新記録は、単なる個人成績にとどまらず、日本プロ野球の打撃スタイルにも一石を投じる可能性がある。イチローのように脚力とミート力を兼ね備えたタイプが台頭する中、今後は新たな育成方針にも影響を与えそうだ。

なお、イチローはこのシーズンを最終的に210安打という驚異的な数字で終え、誰もが想像できなかった新時代を切り開いた

— RekisyNews スポーツ面 【1994年】

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