ミケランジェロ、フィレンツェで『ダビデ像』の制作に着手

  【フィレンツェ 9月13日】

若き彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティ(28歳)が本日、共和国の象徴として知られる旧約聖書の英雄「ダビデ」を題材とした大理石像の制作に着手した。 設置予定地はフィレンツェの政治の中心・シニョリーア広場。市民たちの間では、すでにこの新たな公共彫刻への期待が高まりつつある。

この大理石の原石は、かつて別の彫刻家により途中まで加工されたまま放置されていたもので、長年フィレンツェ大聖堂工房の中庭に置かれていた。しかし、その巨大な素材に再び命を吹き込むべく、芸術家ミケランジェロが選ばれたのだ。

共和国政府は、「若き天才の手で、民の誇りとなる像を完成させてほしい」と期待を寄せる。ミケランジェロはすでにローマで『ピエタ』を完成させ、高い評価を得ており、フィレンツェ市民からの注目も集まっている。

ダビデ像は、単なる聖書の英雄像にとどまらず、「小さき者が巨大な権力に立ち向かう」市民の象徴となることを意図しているとされる。制作には2年以上が見込まれており、完成すれば共和国の精神を体現する傑作になることは間違いない。

— RekisyNews 芸術文化面 【1503年】

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