マザー・テレサ、インド国葬で永遠の眠りへ──全インドが敬意と祈りを捧ぐ

 【カルカッタ 9月13日】

本日、インド西ベンガル州カルカッタにて、世界的な慈善活動家で「神の愛の宣教者会」創設者、マザー・テレサ(享年87)への国葬が執り行われた。 故人の遺志により簡素な式が望まれていたが、インド政府はその功績を讃え、国葬の格式で送ることを決定。数万人の参列者が祈りを捧げる中、マザーは荘厳な雰囲気の中で静かに葬られた。

葬儀はカルカッタの「ネタージ・インドア・スタジアム」で行われ、インド大統領K・R・ナラヤナンをはじめ、各国の元首や高位聖職者、国連関係者が参列。ローマ教皇庁からも特使が派遣され、キリスト教・ヒンドゥー教・イスラム教など宗教を超えた追悼の場となった。

マザー・テレサは数十年にわたり、インドの最も貧しい人々や病人、孤児のために無償の奉仕を続けたことで知られる。1979年にはノーベル平和賞を受賞。「この世で最も貧しい人々の中にキリストを見た」と語り、真の博愛を体現した存在として、世界中から敬愛を集めていた。

葬儀に参列した一般市民の一人は、「彼女はインドの母であり、世界の母でした」と涙ながらに語った。

マザー・テレサの遺体は、彼女が創設した修道会の本部にある聖堂に安置され、今後も多くの巡礼者がその地を訪れると見られている。

— RekisyNews 社会面 【1997年】

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