【ニューヨーク 9月11日】
アメリカ合衆国は本日、史上かつてない大規模なテロ攻撃に見舞われた。現地時間午前8時46分(日本時間午後9時46分)頃、アメリカン航空11便がニューヨーク・マンハッタンの世界貿易センター北棟に激突。そのわずか18分後の午前9時3分、ユナイテッド航空175便が南棟に突入した。
この前代未聞の航空機による突入攻撃で、世界の金融中枢である超高層ビルが立て続けに炎上し、数時間後には両棟とも完全に崩壊。数千人に及ぶ犠牲者が出たとみられ、現場は混乱と絶望に包まれている。
さらに同日、アメリカン航空77便がワシントンD.C.近郊の国防総省(ペンタゴン)にも突入。ユナイテッド航空93便もハイジャックされたが、乗客の抵抗によりペンシルベニア州シャンクスビルに墜落した。これら一連の事件は、組織的かつ同時に実行されたとみられ、事実上の“戦争行為”と受け止められている。
ブッシュ大統領はフロリダから声明を発し、「これはアメリカに対するテロ行為であり、犯人を必ず見つけ出し、裁きにかける」と述べ、国家非常事態を宣言。全米の空港は直ちに閉鎖され、ホワイトハウスや連邦議会なども避難措置が取られた。
これらの攻撃は、国際テロ組織アルカーイダとその指導者ウサーマ・ビン・ラーディンによる犯行との見方が強まっており、今後のアメリカ政府の対応次第では、報復的な軍事行動に発展する可能性もある。
アメリカ史に深い傷を刻む一日となった9月11日。世界は今、凍りついたような静寂と、不安、そして怒りの中にある。
— RekisyNews 国際面 【2001年】