東京に野球の新聖地誕生――後楽園球場、盛大に開場

【東京 9月11日】

本日、東京市小石川区(現在の文京区)にて、日本初の本格的多目的野球場「後楽園球場」が盛大に開場した。明治神宮外苑に続く本格的スタジアムの誕生に、野球関係者のみならず、多くのスポーツ愛好家たちが熱狂とともに門をくぐった。

この後楽園球場は、東京中央電信局跡地の再開発の一環として建設され、約2万人を収容可能。内野には鉄筋コンクリート製の観客席が整備され、照明設備の設置も視野に入れた設計が施されている。完成直後から「日本野球の殿堂」としての期待が高まっている。

本日の開場式では、東京巨人軍をはじめとしたプロ野球選手によるエキシビションマッチも行われ、多くの市民が詰めかけた。初めて見る大規模な球場に、子どもから大人までの観衆が興奮を隠せず、「これからはここが東京の野球の中心になる」との声が飛び交った。

関係者によれば、今後は野球だけでなく、陸上競技やボクシング、演芸興行など多目的利用も視野に入れているとのこと。昭和の新時代を象徴するスポーツ施設として、後楽園球場の存在感はますます高まっていきそうだ。

後楽園という名は、隣接する庭園「小石川後楽園」に由来し、歴史と文化の香りを今に伝えるこの地にふさわしい命名といえるだろう。

— RekisyNews スポーツ面 【1937年】

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