ホンダ、モンツァで栄光の勝利 — サーティース駆るRA300がデビュー戦制す

【モンツァ 9月10日】

フォーミュラ1世界選手権第9戦「イタリアグランプリ」が10日、北イタリア・モンツァ・サーキットで開催され、日本のホンダが歴史的な勝利を飾った。ジョン・サーティース選手(イギリス)が、ホンダの新型マシン「RA300」を駆り、劇的な逆転でチェッカーフラッグを受けた。

この勝利は、1965年のメキシコグランプリ以来となるホンダにとっての通算2勝目であり、また同日デビューを果たしたRA300にとっては記念すべき初陣での勝利となった。モンツァの高速コースを舞台に繰り広げられたレースは、最終ラップまで先頭争いが激しく展開され、ファイナルラップでの逆転劇が観客を沸かせた。

RA300は、ホンダとローラ社が共同開発した新型マシンであり、シャシーの軽量化と新設計のV12エンジンが特徴。今回のレースが初投入であったが、その実戦力を見事に証明する形となった。なお、優勝タイムは2位との僅差で、わずか0.2秒差という劇的なフィニッシュだった。

レース後、ホンダ・レーシングの関係者は「エンジン、シャシー、ドライバーすべてが噛み合った勝利」と喜びを語りつつ、「日本の技術が世界の舞台で認められた瞬間だ」と胸を張った。

一方で、この勝利はホンダF1活動の「第1期」を締めくくる最後の勝利となる見込みで、開発体制の見直しや事業再編の中で、今季限りでのF1撤退もささやかれている。ゆえにこのモンツァでの快挙は、関係者にとって大きな節目となる勝利とも言える。

サーティース選手はかつて二輪・四輪の両カテゴリーでチャンピオンを獲得した経歴を持ち、今回の勝利もその実力を改めて印象づけるものとなった。

ホンダと日本の技術が世界最高峰の舞台で再び栄冠を手にしたことで、日本国内のモータースポーツ熱も再び高まる兆しを見せている。

— RekisyNews スポーツ面 【1967年】

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