アルゼンチンで軍事クーデター発生 イリゴージェン大統領が辞任へ

【ブエノスアイレス 9月6日】

本日、アルゼンチン共和国において軍部主導によるクーデターが発生し、第19代大統領であるイポリト・イリゴージェン氏(在任2期目)が政権を退く事態となった。これにより、アルゼンチン史上初の軍事クーデターによる政権交代が現実のものとなった。

首都ブエノスアイレスでは早朝から陸軍将校・ホセ・フェリックス・ウリブル将軍の率いる部隊が主要政府機関を制圧。通信・交通インフラも軍の管理下に置かれ、同時に政府高官の一部が拘束されたという情報も流れている。

イリゴージェン氏は、急速に悪化した経済状況(世界恐慌の影響)と、政権内部での腐敗、労働者への対応を巡って国内世論や軍の信頼を失っていた。とりわけ直近では、失業率と物価高騰が民衆の不満を招き、政治的混乱が続いていたことが背景にある。

ウリブル将軍はラジオ演説で、「祖国と人民を救うための暫定的措置である」と発表し、近く暫定政府の設立と新体制への移行を進める方針を示した。なお、政党活動や選挙制度の見直しについても言及しており、事実上の軍事独裁への移行を懸念する声もある。

この政変により、南米最大の民主主義国家の一つと見なされていたアルゼンチンは、今後しばらく政治的不安定期に突入するとみられており、国際社会からも注目が集まっている。

— RekisyNews 国際面 【1930年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次