後白河天皇、守仁親王に譲位し上皇へ――新たな院政時代が幕を開ける

 【京都 9月5日】

本日、天皇に即位してから3年を迎えた後白河天皇(第77代天皇)が、皇太子・守仁親王に譲位し、上皇となられた。譲位後、後白河上皇は政務を引き続き主導する「院政」を開始する意向を示しており、朝廷の政治構造に新たな局面が訪れた。

新天皇として即位した守仁親王は、第78代天皇と「二条天皇」。年若くしての即位であり、今後の政治の実権は実父である後白河上皇に委ねられる形となる見通しだ。

後白河天皇は保元の乱後の混乱を経て、1155年に即位。その統治の短期間にあって、朝廷内外の勢力との均衡を巧みに取りながら朝政を進めたとされる。一方で、強まる武士の影響力に対抗すべく、自らが引き続き政務を掌握する「院政」という形を選択したことで、貴族社会の権威維持を狙ったとも言われている。

院政は、過去の白河・鳥羽上皇らによってすでに確立された政治形態であるが、今回の後白河上皇の動きにより、院の存在が再び政治の中心として浮上した。朝廷内では、摂関家や新興の武士層との関係性に注目が集まっており、上皇の采配が今後の政局を大きく左右することになりそうだ。

京都御所には、譲位の儀に参列した廷臣や諸侯が集まり、粛々とした中で政権の引継ぎが執り行われた。二条天皇は「父の御意思を受け継ぎ、国の安寧を第一とする」と述べ、若き君主としての決意をにじませた。

政変や武士の台頭で揺れる時代の中、後白河上皇の院政がいかに展開されるか、今後の動向が注目される。

— RekisyNews 朝廷・政治面 【1158年】

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