アパッチ族の指導者ジェロニモ、遂に降伏 アメリカ南西部に長年続いた戦闘に終止符

 【アリゾナ準州 9月4日】

合衆国陸軍は本日、アパッチ族の著名な戦士で指導者であるジェロニモが、南アリゾナのキャニオン・デ・ロス・エンブドスにて正式に降伏したことを発表した。彼の投降により、アメリカ南西部で続いた長年のアパッチ抵抗は、事実上の終焉を迎えた。

ジェロニモはチリカウア・アパッチの中でも特に戦闘的とされたベドンコヘ族に属し、幾度にもわたって合衆国およびメキシコ両軍を翻弄してきた指導者である。軍の報告によれば、彼の一行は婦女子含む38人で、過去数ヶ月間にわたり追跡を受け、ついに将軍ネルソン・A・マイルズとの交渉の末、自発的に武器を置いたという。

ジェロニモは、アリゾナ準州およびニューメキシコ準州において、襲撃・略奪・逃走を繰り返し、騎兵隊による包囲網すらかいくぐって抵抗を続けてきた。今回の降伏は、これまでにない「平和的手段による制圧」として合衆国軍内でも評価されており、マイルズ将軍は「野蛮と文明の争いが終わった瞬間」と声明を出している。

しかしながら、彼らが今後どう扱われるかは未定のままだ。現在の計画では、フロリダ州の収容施設に一時的に移送し、その後の定住地について議会と内務省で協議される予定だという。一部では、戦士らを捕虜として永久に拘束する案も検討されている。

西部辺境におけるインディアン戦争の一幕がついに閉じた今、地域住民の間には安堵と安定を求める声が広がっている。一方、アパッチ側では、生活の場を追われ、部族としての未来に深い不安を抱いているとの報道もある。

ジェロニモは語る。「私は降伏するが、魂まで征服されたわけではない」と。戦士の誇りと民族の尊厳は、なお胸中に生き続けている。

— RekisyNews 北米・部族面 【1886年】

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