【サンフランシスコ 9月1日】
アメリカ大リーグで、日本野球界に新たな歴史が刻まれた。サンフランシスコ・ジャイアンツに所属する投手、村上雅則(20)が本日、ニューヨーク・メッツ戦でリリーフとして登板し、日本人として初めてメジャーリーグのマウンドに立った。
8回裏、1点リードの場面で登場した村上は、約2万5千人の観客が見守る中、力強い速球を武器にメッツ打線を迎え撃った。先頭打者にはヒットを許したが、その後は落ち着いた投球で後続を打ち取り、無失点で切り抜けた。スタンドでは観客から大きな拍手が起こり、ベンチのチームメイトも立ち上がって声援を送った。
村上は和歌山県出身で、南海ホークスから今年ジャイアンツに派遣されていた。春のキャンプから高く評価され、球威と制球力の両面で首脳陣の信頼を勝ち取っての抜擢だ。試合後、村上は「とても緊張したが、日本代表のつもりで投げた。結果を出せて嬉しい」と語り、充実した表情を見せた。
この歴史的な登板に対し、日本の野球界からも祝福の声が相次いでいる。南海ホークス関係者は「彼の努力がついに実を結んだ。日本人選手にとって新しい時代の幕開けだ」とコメントした。
ジャイアンツは今季ナ・リーグ西地区で首位争いを続けており、村上の活躍はチームにとっても大きな戦力となる見込みだ。メジャーの舞台で堂々と投げた20歳の若者に、日本中の注目が集まっている。
— RekisyNews スポーツ面 【1964年】