【那覇 3月23日】
沖縄本島への米軍上陸が目前に迫る中、沖縄師範学校女子部および沖縄県立第一高等女学校の生徒・教師ら約240名に対し、本日、軍命による看護要員としての動員令が下った。両校の愛称から「ひめゆり学徒隊」と呼ばれる彼女たちは、南風原にある「沖縄陸軍病院」へと配属され、負傷兵の看護という過酷な任務に就くことになる。
米軍艦隊による連日の猛烈な艦砲射撃が続く中、卒業式を目前に控えた少女たちは、わずか数日の救護訓練を受けたのみで戦場へと送り出された。軍当局は「勝利のための神聖な任務」と強調しているが、装備や薬品が決定的に不足する中、未成年の女子学徒が最前線の軍病院へ投入されるという事態は、沖縄の戦局がいかに絶望的な段階にあるかを如実に物語っている。彼女たちは家族との別れを惜しむ間もなく、重い背嚢を背負い、砲弾の降り注ぐ夜道を徒歩で病院壕へ向かった。
今後、上陸戦が本格化すれば、学徒隊は地下壕(ガマ)の中での不眠不休の作業を強いられることが予想される。純粋な愛国心と「お国のため」という使命感に突き動かされた少女たちの行軍は、第二次世界大戦末期における日本の悲劇を象徴する光景となった。「戦場に咲く白百合」と称えられた彼女たちの運命は、沖縄という島全体を巻き込む凄惨な地上戦の渦中へと飲み込まれようとしている。
— RekisyNews 社会面 【1945年】
