天正遣欧少年使節、ローマ教皇に謁見 ―― 「東方の黄金の国」から信仰の証届く。欧州全土に日本ブーム

【ローマ 3月23日】

はるか東方の日本から、足かけ3年に及ぶ命懸けの航海を経て派遣された4人の少年たち、天正遣欧少年使節が本日、ついにカトリック教会の最高権威であるローマ教皇グレゴリウス13世への公式謁見を果たした。伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルチノの4人は、教皇庁が特別に用意した華美な馬車に乗り、沿道を埋め尽くした万雷の拍手と歓声の中、サン・ピエトロ大聖堂へと入城した。

謁見の間で教皇と対面した少年たちは、九州のキリシタン大名(大友宗麟、大村純忠、有馬晴信)からのラテン語で書かれた親書を厳かに奉呈。80歳を超えた高齢の教皇グレゴリウス13世は、地球の裏側からはるばるやってきた若き使節たちの敬虔な姿に深く心を打たれ、涙を流して彼らを一人ずつ抱擁し、祝福を与えた。この瞬間、キリスト教史上初めて、日本という文明国家の存在が欧州の中心地で公に認められたこととなる。

街中には彼らを一目見ようと大群衆が押し寄せ、「東洋の王子たち」の到来を伝える号外が次々と発行されるなど、ローマのみならず欧州全土で空前の「日本ブーム」が巻き起こっている。ルネサンス後期の文化が花開く欧州において、彼らがもたらした日本の屏風や漆器などの工芸品も高い関心を集めており、東西の文化が直接火花を散らす歴史的な外交の舞台となった。

この謁見は、キリスト教の世界的拡大を象徴する出来事であると同時に、日本という国家が中世から近世へと脱皮し、世界史の表舞台へと躍り出た決定的な瞬間として、後世に長く語り継がれることになるだろう。少年たちの瞳には、これから目にする未知の文明への好奇心と、信仰に身を捧げる不退転の決意が宿っている。

— RekisyNews 社会面 【1585年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次