「マラソン」の名を冠した初の大競走 ―― 神戸〜大阪32km、阪神間を抜ける熱き長距離レース

【大阪 3月21日】

本日、神戸の湊川埋め立て地から大阪の西成大橋東端までを結ぶ約32キロメートルの長距離レース「マラソン大競走(阪神間20哩長距離競争)」が開催された。本大会は、日本で初めて「マラソン」という名称を公式に使用した記念碑的イベントであり、沿道には数万人の観衆が詰めかける空前の熱狂ぶりを見せた。

午前11時に神戸をスタートした各校の学生や志願者ら20名は、砂埃の舞う未舗装の国道を力走。これまでの「長距離走」の概念を覆す過酷なレース展開となったが、この歴史的な激戦を制したのは、岡山県から参加した在郷軍人の金子長之助氏(27)であった。金子氏は2時間10分54秒の記録でトップでゴールし、初代王者の栄誉とともに、金メダル賞金300円を掴んだ。

この大会の成功により、「マラソン」という言葉は一気に全国区の認知度を獲得した。単なる移動手段や訓練としての走りが、自己の限界に挑む近代的な「競技」へと昇華した歴史的な一日。阪神間を駆け抜けたランナーたちの足跡は、日本の陸上競技界に新たな金字塔を打ち立てた。 

— RekisyNews スポーツ面 【1909年】

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