衝撃の書き下ろし『日本沈没』発売 ―― 小松左京氏、空前のスケールで描く「亡国の危機」

【東京 3月20日】

SF作家・小松左京氏による渾身の書き下ろし長編小説『日本沈没』が本日、光文社カッパ・ノベルスから上下巻同時に発売された。構想に9年を要したという本作は、地殻変動によって日本列島が文字通り海中に沈んでいくという、かつてないスケールの破滅を描いており、出版界に激震が走っている。

物語は、地球物理学者・田所博士が日本近海での異常事態を察知するところから始まる。プレートテキトニクス理論に基づいた緻密な科学的考証と、国家崩壊を前にした政治家や市民たちの極限のドラマは、単なる空想科学小説の域を完全に超えている。経済成長の絶頂にありながら、心のどこかで将来への不安を抱える現代日本人に対し、「もし国がなくなったら、あなたはどう生きるか」という重い問いを突きつける。

発売前から大きな注目を集めていたが、書店には早くも山積みの新刊を求める読者が列を作っている。本作は早くも映画化の企画も進行しているといい、1973年の日本を象徴する空前の「沈没ブーム」が巻き起こることは必至だ。SFという枠を超え、日本人のアイデンティティを根底から揺さぶる社会現象的な一冊が誕生した。

— RekisyNews 文化面 【1973年】

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