世紀の全勝対決 ―― 若乃花が栃錦を寄り切り、史上初の快挙

【大阪 3月20日】

大相撲大阪場所の千秋楽となった本日、府立体育会館において、相撲史に燦然と輝く史上初の快挙が達成された。両横綱が14戦全勝のまま千秋楽の結びの一番で激突するという、まさに「世紀の対決」が実現。東の横綱・栃錦と西の横綱・若乃花による、いわゆる「栃若時代」の頂点を極める一戦は、若乃花が鮮やかな寄り切りで勝利し、幕を閉じた。

立ち合いから両者の気迫が爆発し、会場のボルテージは最高潮に達した。小兵ながらも卓越した技を持つ「技の栃錦」に対し、「土俵の鬼」と呼ばれる若乃花が魂のぶつかり合いを見せ、全勝対決を制した瞬間、大阪の街は熱狂の渦に包まれた。両横綱が全勝のまま千秋楽で対戦するのは、江戸勧進相撲以来の記録を辿っても例がなく、戦後の相撲ブームを象徴する出来事となった。

この一番は、テレビ放送の普及とともに全国のお茶の間を釘付けにし、日本の国技が持つ美しさと力強さを改めて世に知らしめた。敗れた栃錦の清々しい表情と、賜杯を手にした若乃花の歓喜の姿は、昭和のスポーツ史に永遠に語り継がれる名場面として刻まれるだろう。

— RekisyNews スポーツ面 【1960年】

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