東京の地下鉄でサリン散布、死傷者数千人 ―― 史上最悪の「都市型テロ」に震撼

【東京 3月20日】

本日午前8時頃、首都・東京の通勤ラッシュを突如として未曾有の惨劇が襲った。営団地下鉄(現・東京メトロ)の日比谷線、丸ノ内線、千代田線の計5車両において、猛毒の神経ガス「サリン」が散布された。この地下鉄サリン事件により、現在までに13人が死亡、5,510人が重軽傷を負うという、日本の犯罪史上最悪の無差別テロとなった。

霞ケ関駅をはじめとする各駅のホームには、異臭を訴え、目や喉の激痛に悶え苦しむ通勤客が溢れ返り、救急車と消防車のサイレンが街に鳴り響いた。化学兵器が公共交通機関で無差別に牙を向くという史上初の事態に、政府は直ちに官邸に対策本部を設置。警察当局は、教義の裏で武装化を進めているとの疑いがある宗教団体「オウム真理教」の関与を視野に、厳戒態勢での捜査を開始した。

平和な日常が一瞬にして戦場さながらの光景に変わったこの一日は、日本社会の安全神話を根底から覆した。見えない毒ガスに怯え、ガスマスクを装着した自衛隊員が地下鉄駅へ突入する光景は、20世紀末の日本に拭い去れない恐怖と衝撃を刻み込んでいる。

— RekisyNews 社会面 【1995年】

アイキャッチ画像 警察庁 (National Police Agency), CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128271015による

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