【ブダペスト 3月18日】
第二次世界大戦の戦況が暗転する中、ナチス・ドイツは本日、同盟国ハンガリーへの軍事介入を強行し、全土を事実上の占領下に置いた。アドルフ・ヒトラーが命じた「マルガレーテ作戦」の発動により、ドイツ軍部隊が抵抗を受けることなく国境を越えて進駐。ハンガリー摂政ホルティ・ミクローシュは、独軍司令部による強い圧力を受け、傀儡政権の樹立を余儀なくされた。
占領の直接的な理由は、ハンガリー政府が密かに英米などの連合国側と単独講和を模索しているという情報を、独諜報機関が掴んだことにある。ソ連軍が東部戦線から迫る中、ハンガリーの離反は、ドイツ軍にとってバルカン半島方面の戦略的崩壊を意味する。ヒトラーは「同盟国の裏切りは許さない」として、有無を言わさぬ武力行使に踏み切った形だ。
ブダペストの街角には、ドイツ国防軍の軍靴の響きと装甲車の轟音が鳴り響き、市民たちは凍りついたような表情でその様子を見守っている。これまでハンガリー国内で比較的守られていたユダヤ人層や反対派への弾圧も、今後、親独政権の樹立によって激化することが確実視されている。親衛隊(SS)の影が、ドナウの真珠と呼ばれた美しい街を覆おうとしている。
今回の占領により、ドイツは東南欧の防衛線を一時的に維持することに成功したが、これは同時に、同盟関係がもはや信頼ではなく「恐怖」によってしか繋ぎ止められない末期的な状況であることを露呈している。戦争の終局が近づく中、ハンガリーという盾を失うまいとするドイツの執念が、この古い王国を更なる惨禍へと引きずり込んでいく。
