『東洋自由新聞』本日創刊 ―― 自由民権運動の新たな旗手、中江兆民らが健筆

【東京 3月18日】

自由民権運動の熱気が全国で高まる中、本日、新たな言論の拠点となる『東洋自由新聞』が創刊された。社長には西園寺公望が就任し、主筆には「東洋のルソー」と評される思想家・中江兆民を迎えた。本紙は、政府による言論弾圧や専制的な政治体制を痛烈に批判し、天賦人権説に基づく民主主義の普及を目指す、民権派の極めて強力な武器となることが期待されている。

創刊号では、フランス留学で培われた中江兆民の深い政治思想が反映された論考が掲載され、自由の尊さと人民の権利を熱く説いている。特に「自由は一国の宝であり、これを抑圧する政府は国民の敵である」という趣旨の主張は、開明的な知識人や学生たちの間で早くも大きな反響を呼んでいる。また、西園寺という名門貴族が社長に名を連ねていることは、政府高官にとっても無視できない圧力となっているようだ。

しかし、政府は「新聞紙条例」を駆使して民権派の言論を厳しく取り締まっており、本紙の前途も決して平坦ではない。すでに警視庁は本紙の論調に目を光らせており、発禁や罰金の処分が下されるのは時間の問題との見方もある。これに対し、兆民らは「ペンは剣よりも強し」との信念のもと、論理的かつ情熱的な筆致で戦い抜く覚悟を示している。

現在、日本各地では国会の開設を求める建白書が相次いで提出されており、民情は激しく揺れ動いている。この『東洋自由新聞』の誕生は、単なる一新聞の創刊に留まらず、日本の近代化が「官」による押し付けではなく、「民」の自覚によって成し遂げられるべきだという強烈なメッセージを社会に発信している。

— RekisyNews 社会面 【1881年】

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