神戸に焼夷弾の雨、市街地壊滅 ―― 焼夷弾2,300トン、死傷者8,000人超の規模

【神戸 3月17日】

未明、兵庫県神戸市一帯が米軍爆撃機B29による大規模な無差別爆撃を受け、市街地の大部分が火の海と化した。先日の東京大空襲に続く組織的な都市破壊の矛先が、ついに西日本最大の港湾都市に向けられた形だ。第二次世界大戦(大東亜戦争)の戦火は、罪なき市民の日常を容赦なく焼き尽くした。

午前二時頃、マリアナ基地を発進した約300機のB29が神戸上空に侵入。低空から約2,300トンの集束焼夷弾を投下した。標的となったのは、軍需工場のみならず、人口が密集する兵庫区、長田区、林田区(現在の長田区の一部)を中心とした住宅街であった。木造家屋が密集する市街地は瞬く間に猛烈な火災旋風に包まれ、避難を試みた市民たちは、熱風と黒煙の中で逃げ場を失った。

湊川公園や湊川神社周辺では、炎を避けて集まった人々が次々と倒れ、一面が焦土と化した。警察当局の暫定的な発表によれば、死傷者は8,000人を超え、罹災者は25万人以上に達する恐れがあるという。市内の病院や国民学校の避難所は負傷者で溢れ返り、薬品や食料の不足もあって惨状を極めている。また、神戸港の機能も麻痺し、日本の海上輸送網は決定的な打撃を受けた。

東部軍管区司令部の発表によれば、わが防空部隊も果敢に迎撃し数機を撃墜したとされるが、米軍の圧倒的な物量の前には及ばず、都市機能は実質的に喪失した。焦げ臭い煙が立ち込める瓦礫の街で、市民たちは愛する家族の遺体を捜し、言葉を失い立ち尽くしている。本土決戦が叫ばれる中、空からの惨禍は国民に拭い去れぬ恐怖と絶望を突きつけている。

— RekisyNews 社会面 【1945年】

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