【東京 3月17日】
日本テレビ系列で放送されてきた人気テレビアニメ『美味しんぼ』が本日、約3年半にわたる放送の幕を閉じた。1988年10月の放送開始以来、原作・雁屋哲氏、作画・花咲アキラ氏による大ヒット漫画の世界を見事に映像化し、お茶の間に本格的な「グルメ」という概念を浸透させた功績は極めて大きい。最終回を迎え、ファンからは早くも終了を惜しむ声が相次いでいる。
物語は、東西新聞社の記者・山岡士郎と栗田ゆう子が、究極の献立「究極のメニュー」を作り上げる過程を描くもの。山岡と、その実父であり宿敵である美食家・海原雄山との緊迫した料理対決は、単なる調理の技術紹介に留まらず、食材の本質や調理者の精神性を問う深い内容で幅広い層の支持を得た。また、作中に登場する実在の料理や食材、さらには環境問題や食の安全性に対する鋭い批評性は、アニメという枠を超えて社会的な関心を呼び起こした。
声優陣の熱演も光った。山岡役の井上和彦氏による気怠くも芯の通った演技や、海原雄山役の大塚周夫氏による威圧感溢れる「喝!」は、キャラクターの魅力を最大限に引き立てた。主題歌の「YOU」や「Dang Dang 気になる」なども、バブル景気末期の華やかな時代の空気感と共に記憶されている。
本日放送された最終回は、これまでのエピソードを振り返りつつ、山岡と雄山の終わりのない対立と和解の予感を感じさせる締めくくりとなった。番組終了後も、原作漫画の連載は続いており、アニメが食文化に与えた影響は今後も計り知れない。日本の食卓に「本物の味」へのこだわりを植え付けた本作は、テレビアニメ史に残る金字塔として、今後も長く語り継がれることになるだろう。
— RekisyNews 社会面 【1992年】
