【茨城 3月17日】
「人間・居住・環境と科学技術」をテーマに掲げた国際科学技術博覧会(つくば万博)が本日、茨城県の筑波研究学園都市にて開幕した。9月16日までの184日間にわたり、世界48ヶ国と37の国際機関、そして日本の主要企業が最新の科学技術を競い合う。21世紀の豊かな生活を予感させる壮大な祭典の幕開けに、会場周辺は朝早くから多くの家族連れや若者たちで溢れ、熱気に包まれている。
会場には、高さ85メートルの大観覧車「テクノコスモス」や、ソニーの超大型映像システム「ジャンボトロン」など、度肝を抜く巨大施設が立ち並ぶ。また、NTT館のINS(高度情報通信システム)や、各パビリオンで活躍する多種多様なロボットたちは、単なる見世物ではなく、近い将来の日本の姿を具現化したものだ。特に、電子楽器を演奏するロボットや、来場者の似顔絵を描くロボットの前では、子供たちが目を輝かせてその精緻な動きに見入っている。
政府はこの万博を、筑波研究学園都市の完成を広く内外に知らしめ、日本の科学技術立国としての地位を不動のものにする絶好の機会と位置づけている。会場内では、リニアモーターカー「HSST」の試乗も行われ、未来の交通機関を体験しようと長い列ができている。
通信技術とエレクトロニクスの急速な発展が、私たちの暮らしをどう変えるのか。この「つくば」の地から発信されるメッセージは、単なる技術の誇示に留まらず、人間と科学が調和した新しい文明のあり方を問いかけている。半年間にわたるこの祭典は、日本中に科学への憧れを植え付け、次世代を担う少年少女たちの心に、輝ける未来の種をまくことになるだろう。
— RekisyNews 社会面 【1985年】
アイキャッチ画像 つくば市, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=144958899による
